今回は、電気工事業の許認可と資金繰りについて投稿します。

アフターコロナと言われる前から建設資材の高騰、電気工事士の免状を持つ人たちの人材不足から

工事進捗が送れたり、労務費や外注費の単価上昇もあって電気工事業者の収益で苦労されている

事業者様もいると考えます。

 

そもそも、電気工事業を営むには、都道府県知事や経済産業大臣への登録や通知、届出が必要です。

電気工事業者の区別

電気工事業者は、法によって区別されています。

電気工事業の区分 概 要
登録電気工事業者 建設業法に基づく許可を受けずに、一般用電気工作物、あるいは一般用電気工作物及び自家用電気工作物に関する電気工事業を営む
通知電気工事業者 建設業法に基づく許可を受けずに、自家用電気工作物のみに関する電気工事業を営む
みなし登録電気工事業者 建設業法に基づく許可(業種を問いません)を受けた建設業者が、一般用電気工作物、あるいは一般用電気工作物及び自家用電気工作物に関する電気工事業を営む
みなし通知電気工事業者 建設業法に基づく許可(業種を問いません)を受けた建設業者が、自家用電気工作物のみに関する電気工事業を営む

 

電気工事士の資格と主任電気工事士

登録や通知電気工事業で必要な電気工事士の資格には、第一種電気工事士と第二種電気工事士があります。

電気工事士  電 気 工 事 の 範 囲
第一種電気工事士 1. 自家用電気工作物のうち最大電力500 キロワット未満の需要設備の電気工事
 ただし、上記の作業のうちネオン工事と非常用予備発電装置工事の作業に従事するには、
 特種電気工事資格者という別の認定証が必要
2. 一般用電気工作物等の電気工事
第二種電気工事士 一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、電力会社から低圧(600ボルト以下)で受電
する場所の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物等の電気工事

認定電気工事従事者もあり、「認定電気工事従事者認定証」の交付を受ければ、簡易電気工事(自家用電気工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備であって、電圧600ボルト以下で使用する電気工作物(電線路を除く。)の電気工事をいう。)の作業に従事することができます。

近年、第二種電気工事士の免状の交付を受けている方が、3年以上の電気工事の実務経験を積んだ、または、
所定の講習(認定電気工事従事者認定講習)を受けて、産業保安監督部長から「認定電気工事従事者認定証」
の交付を受ける方が多くいようです。

当事務所でも、第二種電気工事士の免状を持つ主任電気工事士の方が「認定電気工事従事者認定証」を取得して、
一般電気工作物と簡易電気工事(自家用電気工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備で電圧600
ボルト以下で使用する電気工作物の工事が出来るように変更登録申請しています。

ところで、主任電気工事士ですが、主任電気工事士試験があるわけではありません。

登録電気工事業者又はみなし登録電気工事業者は、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに、一般用電気
工事の作業を管理させるため主任電気工事士を置かなければなりません。

この主任電気工事士は、次のどちらかに該当する必要があります。

① 第一種電気工事士免状の交付を受けている方
② 第二種電気工事士免状の交付を受けた後、登録電気工事業者又はみなし登録電気工事業者等のもとで
  3年以上の電気工事に従事された実務経験のある方

第二種電気工事士の免状を取得して3年以上の電気工事の実務経験がある方は、登録電気工事業の申請に当たって
「主任電気工事士等実務経験証明書」に証明者から実務経験の記入と押印していただく必要があります。

ここまでは、電気工事業の登録・通知、届出の申請にかかる内容になります。

資金調達の概要

次は、電気工事業を経営する際の資金調達になります。

建設業全般になると思いますが、数ヶ月工期の建設工事をするに当たって、まず建設工事の発注が
あります。

建設業者は見積をするなどして、受注します。

建設工事を行うに当たっては、建設資材として主要資材や副資材の仕入、自身や従業員の労務費、
外注費、交通費や通信費を含む諸々の経費がかかります。

これらの費用は、工事立替金となりますので、工事完成後の一括回収まで入金がないこととなります。
工事出来高請求・払いがあるようですが、下記の図は一括回収の図になります。

 

 

そこで、資金繰りとして金融機関から数ヶ月工期に合わせる短期融資である工事引当融資をお願いするのが、対策として
事業者が利用しているようです。

 

 

工事引当融資を金融機関に依頼するに当たって、受注契約書(工事請書)や資金繰り表などの必要書類を求められます。
建設業の融資では、金融機関によって工事概況や試算表を求められることがあり得ます。

工事引当融資を受けることで、工事の完了や売上が上がり、見積通りの工事工数、工事の効率化できれば利益が
確保できるはずです。

融資を受けたら、「利息がかかるやん。」とおっしゃる事業主さんがいらっしゃると思いますが、事業を継続する
ことを考えれば、必要なことと考えます。

ここ最近の建設資材の高騰、人材不足による人件費の単価アップの影響から、金融機関による融資が資金繰り対策
の1つになると考えます。